2023/12/24 「世の支配者に不安を抱かせるクリスマス」マタイによる福音書2:1~12 牧師 古屋 治雄 

◇私たちの身の回りにはなお多くの悪があり、私たちを引きずり込もうとしている。だが私たちは悪に信頼することはできない。そうではなく、神様の生命に生かされていること、神様の希望があることを信じて生きるのである。 

◇マタイによる福音書が伝える最初のクリスマスで、喜びにあふれたのは東方から来た博士たちだけである。この博士たちも、ヘロデ王の迫害を恐れて別の道を帰って行く。王と神殿に仕える人々は恐れた。それは、ユダヤの伝統や、昔の人の言い伝えなどではとらえ切れない出来事が起こっているからである。しかもそれが、ユダヤの伝統の外側にいた、東方から来た博士たちから「ユダヤ人の王が生まれた」と伝えられたからである。この知らせは、イエス様がヘロデをはじめとするユダヤ社会の指導層と対立し、ユダヤを実効的に支配しているローマ皇帝の権力と対立することを意味する。実際ヘロデは、本能的にわが身の危険を感じ、当時ベツレヘム周辺にいた2歳以下の男児をすべて虐殺するという暴挙に出る。エルサレムの人もみな恐れた。新たな王が生まれたなら、権力争いが起こり、戦乱が起こるのではないか、あるいは、ローマ、ヘロデ王、新しい王の三重の支配に苦しめられるのではないか、という不安だっただろうか。だが、新しい王、メシアとして来られたイエス様を受け入れることは、今までの考え方や伝統の中ではできないのである。イエス様ご自身が言われたように、御国は、この世に属していないからである。 

◇イエス様は自ら十字架へと向かわれ、罪ある私たちのために死なれた。この世の力に絡め取られ、敗北したかに見える。しかし三日目に復活され、勝利されたのである。この世はなお、不安、闇、絶望が覆っているかに見える。しかしこの現実は塗り替えられなければならない。イエス様は神様の光、生命、力を与えてくださる。私たちに闇を光に変える力をも与えてくださるのである。その希望をもってこの世の旅路を歩んで行こう。