礼拝説教


2021/03/21

「計画を変更する大胆さも」

使徒言行録16:6〜10
牧師 古屋 治雄

◇世界中がこの一年試練、艱難の中にあり、信仰も困難の中にあったが、使徒言行録の御言葉が私たちの礼拝に与えられ、主は恵みをもって支えてくださった。

◇今日は16章に入り、パウロたちが第二回目の伝道旅行に出発したことが伝えられている。ここに至るまで、復活の主が初代教会の人々に聖霊を注いでくださることを約束してくださった通り、教会は力強い聖霊の導きによって前進し、ユダヤ人の信仰という大きな壁も乗り越えてなお拡大していった。

◇しかし6節以下をみると、一度ならず二度までもパウロたちの伝道が阻まれたことが伝えられている。アジア州での伝道は大きな町エフェソやその他の町での、だれもが大きな成果があがるだろうと期待していた計画だった。しかしこの計画はどういうわけか阻まれてしまった。パウロたちはそれで行く先を北に向けビティニア州に向かったのだが、そこでの伝道も「イエスの霊」によって阻まれたのである。

◇これはパウロたちに聖霊が注がれなくなり、思い通り伝道活動ができなくなってしまったというのではない。9 節以下に聖霊の働きは制限を加えることのみでは決して終わらないことが示されている。パウロたちは当初マケドニア州に渡って伝道することは考えていなかったが、不思議な聖霊の導きから、自分たちに新たに「マケドニア人に福音を告げ知らせるために、神がわたしたちを召されているのだと、確信するに至った」と、はっきり主が示された。私たちの考えが及ばない大きな救いの計画が神様によって備えられているのである。

◇「人の心には多くの計画がある、しかしただ主の、み旨だけが堅く立つ。」(箴言19:21)パウロたちの第二回の伝道旅行の当初の計画が根本的に変更されることになったが、福音がアジアからヨーロッパの地に拡大し、そこに主の教会が根を下ろし、後の初代教会の進展を決定づけることになった。私たちも自分の描いた計画や予定に固執するのではなく、主がお示しくださる計画に委ねて生きる者となりたい。

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