礼拝説教


2020/05/03

「聖霊に仕え、役割を担う」

使徒言行録6:1〜7
牧師 古屋治雄


◇阿佐ヶ谷教会では先週長老研修会を行った。教会はそれぞれの重要な役割を担うための長老会、部会や各委員会など組織を持っている。しかし、教会の使命として大事なことは日曜日の礼拝を通しての生ける神、キリストとの出会い、恵みを味わうことであろう。伝統的言葉では組織を見える教会の性質、礼拝など一つなる神の霊的な恵みに与ることを見えない教会としての性質という。

◇今日の6章で、初代教会の中にギリシャ語を話すユダヤ人がヘブライ語を話すユダヤ人に対して、日々の分配で仲間のやもめが軽んじられたとの苦情を申し立てた問題を伝えている。これは信仰を一つにして広まりつつあった教会が直面した現実であった。それまで使徒達はユダヤ社会に対して大胆に伝道の言葉を語り、同時に信者達の生活を支える活動もしていた。弱き者を支えるということは旧約時代からの信仰共同体の伝統であったのだが、この両立が出来ずに初代教会は亀裂を生んでしまったのである。

◇12人の使徒達は一般の信者の中から霊と知恵に満ちた評判のよい人を7人選ぶようにと兄弟達に求めた。これは内面から醸し出される霊性を持つ人、神を畏れ、キリストの恵みをわきまえている人という意味である。教会は福音に生かされている群れであるので、使徒達は教会の群れ全体に働く霊的な力の判断を信じていたのである。

◇この結果、ステファノを始めとする7人が選ばれたが、彼等はギリシャ語系の人々であった。この役割分担が確立した後、「祭司も大勢この信仰に入った」とあることから、ヘブル的背景にある人々も教会の群れに加わり、教会の一致が強められたと言える。群れ全体の食事の世話をする人々が選任され、教会が聖霊によって福音に生きる共同体として整えられていく様はまさに私たち教会が目指すところである。

◇選ばれた7人が按手を通して聖霊の注ぎを受け共同体全体で受け入れられたように、私たちの教会で選ばれた長老達も、選んだ教会員全体も、主に立てられた教会として聖霊に支えられ、キリストの体としてしっかり歩むことができるように心から願う。

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