礼拝説教


2020/04/12ー復活祭礼拝ー

「復活の主は亡霊か」

ルカによる福音書24:36〜49
牧師 古屋治雄


◇今朝はルカの福音書から「あなた方に平和があるように」というみ言葉を聞いている。24章36節には「イエスご自身が彼らの真ん中に立ち」とあるが、これは私たちの真ん中に立ち、私たちを一つにして呼びかけて下さるのである。

◇失意の内にエマオに向かっている二人の弟子にイエス様があらわれ、二人はエルサレムに戻って弟子たちにそのことを伝えた。そのとき、イエス様は真ん中に立ち「あなたがたに平和があるように」と呼びかけて下さった。弟子たちは十字架の場面には居合わせていなかっが、主イエスが墓に葬られたことは知っていた。

◇死、それは渡ることの出来ない大きな淵である。復活の主は死を克服した方として私たちに働いて下さり、自分の手足を見せたり、魚をたべるなど、私たちに受け入れることの出来る形で働きかけて下さった。トマスも信じることが出来ず自分が手を差し入れるまでは信じないと言ったが、主イエスの「あなた方に平和があるように」との言葉により合理的論証思考から解放されて、自由にされた。つまり、復活の主イエスキリストを賛美する者へと変えられたのである。イエス様は弟子たちの真ん中にたち、神様の側から超えることの出来ない大きな溝を埋めて下さり、畏れから喜びへと変えて下さった。

◇今年度の阿佐ヶ谷教会の年間標語は第一コリントの「動かされないようにしっかり立ち、主の業に常に励みなさい」であるが、これは主の復活を信じることが出来なかった一部のコリントの教会の人々に対するパウロの言葉である。この復活の出来事が中心となって教会の誕生、歴史がスタートした。

◇復活の出来事は死んだはずの者が息を吹き返したとか、イエスの死を知っているエルサレムの人々のまえにイエス様が姿を現したと言うことではない。復活の出来事を通して呼びかける生ける言葉「あなた方に平和があるように」を世界に呼びかけて下さったのである。 復活の出来事は神の救いの歴史の中心点であり、その歴史の中を私たちは生かされている。2020年を私たちは畏れでなく喜びを持って教会生活を送りたい。

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