礼拝説教

2019/06/30—聖霊降臨節第4主日礼拝—

「新しい時代を生きる」

使徒言行録1:6〜11
  協力牧師 中野 実

◇日本では「令和」という元号の時代が始まった。元号の背後には「時」というものを誰が支配しているかという根本問題が隠されている。真の時の支配者はただ神のみである。それを信じる私たちキリスト者は、冷静な目で、時代には批判的な目をもって見ていくことが求められている。

◇聖書が教える「時」「時代」に関する見方は、真の時、歴史の支配者は天地を造られた神であるということである。神はご自分の計画に従って新しい時代をもたらしてくださった。私たち人間のみならず、すべての被造物がその輝きを回復するために御子イエス・キリストを世に遣わされたのである。罪と死の支配下にあった私たちは、イエス様の十字架と復活の出来事を通して、真の神の支配のもとに連れ戻された。それが復活の出来事であり、新しい時代の始まりであった。それを記念し私たちは週の初めの日曜日に礼拝を守っている。

◇本日の聖書箇所で、弟子たちはイエス様にイスラエルのために国を復興されるのは今ですかと問う。超大国の狭間にあって国を失い、繰り返し不義を経験してきた人々の「はやく正義を実現してください。」という切実な願いであったのであろう。それに対してイエス様は答えられる「父がご自分の権威を持ってお定めになった時や時期はあなた方の知ることではない。」これはあなた方が今わからなくてもよいのだという意味である。

◇すべてがわからないと一歩が踏み出せなかった弟子たちに、イエス様は言われた。自分が復活し、天に昇ることによって新しい時代が始まる。それによって聖霊が注がれ、力が与えられ、大胆に新しい一歩が踏み出せる存在に作り変えられるのだと。

◇イエス様によって新しい時代が開始され、私たちはその新しさを担う存在とされている。新しい救いのみわざが今イエス様によってこの地に、私たちにおいて実現されている。このことに感謝しつつ、今日から始まる一週間をよい時代を知らせるものとして、それぞれの持ち場へ出て行きたい。

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