礼拝説教

2018/1/28

「わたしの服に触れたのは誰か」  ー降誕節第5主日礼拝ー

マルコ福音書5:21〜34
  牧師 古屋 治雄 



◇主イエスと弟子たちが、異教の地であるゲラサ人の地から再びユダヤの地に戻って来ると、大勢の人々が待ちかねていてすぐに一行を取り囲んでしまいました。この光景は、主イエスとその働きを担おうとする群れの前にいつも展開されている現実です。そしてこの群れは今日の私たちの教会をも指しています。

◇さてこの群衆の中にヤイロという会堂長がいて、「わたしの幼い娘が死にそうです」(23節)とひたすらに願い出て来ました。おそらく主イエスの一行を待ちわびていたのでしょう。主イエスはこのヤイロの懇願を聞き入れて娘のところに向かいました。

◇移動中のこの群れの中で、別の出来事が起こりました。12年間も病気に悩まされ続けている女性が一行を追い、「群衆の中に紛れ込み、後ろからイエスの服に触れた」(27節)のです。この女性はこの病気ゆえに「全財産を使い果たしても何の役にも立たず、ますます悪くなるだけ」(26節)でした。当時このような病をかかえている者は、共同体の中で汚れた者とみなされ、人前にでることさえも禁じられていたのです。

◇主イエスは押し合いながら移動しているこの群衆の中で「自分の内から力が出て行ったことに気づいて、群衆の中で振り返り、『わたしの服に触れたのはだれか』と言われ」(30節)ました。弟子たちも、また私たちも、ヤイロの娘のところへ向かっている途中のこの群衆が押し合っている中で誰が触れたか分かるわけがないでしょう、と思うのは当然のことでしょう。

◇しかし主イエスにとっては見過ごしにできない重大なことでした。ご自分の前にすべてを投げ出して助けを求める者に気がつかないことはあり得ません。そのような者に必ず気づいてくださり、救いの御業をなしてくださるのです。主イエスは、この女性の行動を確かな神様への信頼ゆえの行動と受けとめてくださり「娘よ、あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」(34節)と呼びかけてくださいました。
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