礼拝説教

2017/7/9

「病を癒やす力はどこからくるのか」
−聖霊降臨節第6主日礼拝−

マルコ福音書1:29〜39
  牧師 古屋 治雄



◇今日は礼拝に引き続いて私たちの教会の特色である組会を一斉に開催し、地域毎の交わりを確認し、さらに深めたいと願っています。初代教会の人々は初めから教会堂をもっていたわけではありませんでした。新約聖書をみると「家の教会」という言葉が出てくるように、信者の家で礼拝が守られていたことがわかります。私たちの阿佐ヶ谷教会も一番初めは平岩愃保先生の家の教会として始まった教会です。

◇今日示されている出来事は、主イエスが弟子たちと共に会堂からペトロのしゅうとめの家に移っての出来事です。ペトロたちは主イエスの弟子とされ、家族親族そしてこれまでの仕事を捨てて従いました。しかしそのことはまったくの断絶を意味するものではありません。それらから離れることによってそこから主イエスが一緒にいてくださる新しい関係が創りあげられるのです。ペトロのしゅうとめの家に弟子たちを伴って向ってくださった主イエスはこの家でこのしゅうとめの癒やしをなしてくださり、ここに新しく神様に結ばれ、お仕えする家族が形成されました。

◇さてこの出来事によってさらにガリラヤ地方全体から主イエスのところに大勢の人々が癒やしを求めて集まって来たことが伝えられています。これに対して主イエスは「人里離れた所へ出て行き、そこで祈っておられ」ました。これは疲れを覚えられたからではなく、人々がご自分に抱いている期待から距離をとっておられ、父なる神様の御心を一層近く受けとめるための行動とみることができます。

◇主イエスは神の恵みの出来事を具体的な出来事で顕してくださいました。それは、単なる病気の癒やしという目にみえるかたちで判断されることではなく、神の恵みに生きることができない人を、その存在のすべてを神様の恵みに生きる人間に取り戻してくださる、このお働きにほかなりません。「わたしは宣教する。そのためにわたしは出て来た」と言われました。宣教の結果が癒やしとなって示されているのです。私たちは神の国が到来しているという宣言を聞き応答する者とされているのです。

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