礼拝説教

2017/06/11

「神の国は近づいた」
−三位一体主日礼拝−

 マルコ福音書1:14〜15
  牧師 古屋 治雄



◇先週私たちは聖霊降臨日の礼拝を感謝のうちにお捧げすることができました。聖霊の注ぎを受けた者は、不思議な霊的体験に酔いしれるのではなく、主イエスの救いの出来事(特に主が復活されたこと)を語り伝える者とされました。私たちの教会では祈祷会の折りに毎週テーマが掲げられ、当番になった人々が証しをしています。これは教会が証しの言葉を発している大切な機会です。

◇聖霊の導きをいただいて教会が救いの出来事を証言していくその中心は私たちの教会の主日礼拝に他なりません。

◇「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい。」マルコ福音書1章14-15節で主イエス御自身によってこれから神の御子として救いの出来事を成し遂げてくださる第一声が「神の福音」として宣言されました。この宣言が発せられたのは「ヨハネが捕らえられた後」でした。神の前に謙って生きるように悔い改めを呼びかけていたヨハネが、地上で思いのままに権力を振るっているヘロデに抹殺されてしまうただ中に主イエスは立ち上がられたのです。そしてそのお働きの場は神の民全体の中心ではなく周辺部と言わざるをえないガリラヤにおいてでありました。主イエスのお働きの目指しておられるところがはっきりと見えてきます。

◇「悔い改めて福音を信じなさい」と、悔い改めを呼びかけておられる主イエスの命令形は、洗礼者ヨハネの命令形と根本的に異なっています。それは、主イエスの到来によってこの世界が「時は満ち神の国は近づいた」という事実に決定的に包まれてしまったからです。洗礼者ヨハネは最終的な預言者として悔い改めを呼びかけましたが、主イエスは神の御子として神の恵みのご支配をこの地上に実現してくださいました。私たちはその恵みにすでに支配されているゆえに自分の向上心や努力によるのではなく、神が現してくださった恵みに信頼することができるように変えられたのです。私たち自身この主イエスの呼びかけに新たにされていると同時に、私たちがこの主イエスの言葉を今の時代に生きる人々に証しする者とされ います。
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