礼拝説教

2017/01/01

「新約のモーセ」

ルカによる福音書2:1〜20
牧師 大宮 溥



◇教会暦では1月1日は「命名祭」である。今日から始まる1年を、主の名を呼びつつ主と共に歩みたい。

◇日本基督教団の主日聖書日課は、今年は「マタイの年」である。本日は主イエスの誕生の後聖家族が神の御告げによって、聖地からエジプトに避難し、やがて祖国に帰還したという「出エジプト」の言い伝えが取り上げられ、新約のイエス・キリストは、旧約における最大の指導者モーセの任務を完遂した者とされている。

◇モーセ誕生の時エジプトの王ファラオがイスラエル人の男の嬰児殺戮の命令を出したにもかかわらず、神を畏れる産婆により一命を取りとめたように、主イエスもヘロデ大王の嬰児殺戮を免れて、エジプトに避難した。それは旧約の預言の成就(ホセア11:1、エレミヤ31:15)であった。また主イエスのナザレ滞在も「彼はナザレ人と呼ばれる」という、イエスが神のもの「ナジル人」として生きるという預言の成就であった。

◇モーセの召命はホレブの山で、「燃えても尽きない柴」をしるしとして起こり、紅海渡渉による神の民解放の業を成し遂げさせた。イエスの贖罪によって神の民とされた教会も試練の火に「燃えても尽きない」存在である。

◇モーセはイスラエルを導いて、40年の荒野の旅を果たし、ピスガの峯から聖地を展望しつつ生涯を終えた。新約のモーセである主イエスは死と復活によって神の民(教会)を起こし、復活の後弟子たちをガリラヤの山に集めて、世界宣教の号令を与えられた。「わたしは天と地の一切の権威を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。」(マタイ28:18〜20)。われわれは2017年の年頭にあたって、主の命令を心に刻み、宣教と奉仕と交わりの道を踏み出したいものである。

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