礼拝説教

2016/5/29

「新しく生まれかわる」

ヨハネによる福音書3:1〜21
牧師 加藤真衣子



◇ある夜、ニコデモは主イエスを訪ねた。それが「夜」だったのは、眠れない夜の想いを携えてのことだったのかもしれない。私たちにも、眠れずつらい夜がある。そんな夜にこそ主との語らいは与えられる。
◇主とニコデモの語らいはチグハグな印象を受ける。ニコデモの問いに対して、主は思いもよらない言葉をおっしゃる。「人は、新たに生まれなければ、神の国を見ることはできない(3節)」。主は「あなたには第二の誕生が必要だ」とおっしゃったのだ。
◇ニコデモも私たちも、一度は母から生まれ、それぞれの生涯を送っている。そんな中で聖書や信仰者と出会い、教会に行ってみると、主が「あなたは生まれかわりなさい」とおっしゃるのを聴く。ニコデモは主に問う。「年を取った者が、どうして生まれることができましょう(4節)」。彼は老いのはかなさを知っていた。教会でも社会でも、高齢であることの痛みの言葉が満ちている。そのような現実の中で、主は私たちに「新たに生まれよ」とおっしゃる。「新たに」は「上から・神から」とも訳せる。主がそこから降ってこられた「上」から、私たちも生まれかわることを主は望まれる。
◇私たちが新しく生まれかわり、神の国に入るため、すなわち永遠の命を得るために、父なる神は独り子を与え尽くされた(3:16)。そして「あなたは主の命を無条件に受けよ」と言う。私たちがどんな年齢であっても、どんな状況であっても、聖霊が私たちの主となられ、私たちに第二の誕生を実現してくださる。
◇ニコデモは主の十字架の死の後、もはや夜に隠れることなく、ローマ総督の前に、主のご遺体を葬りに現れた(ヨハネ19:39)。彼は新しく主に従う生き方へと変えられたのだ。眠れない夜は、キリストと出会う道行きだった。私たちも聖霊によって、光の子として歩み始めよう。闇の夜はすでに明け始めている。主が助けることのできないほどの、暗い夜はない。
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