礼拝説教

2016/4/3 −教会標語による説教−

「希望をもって喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」

ローマの信徒への 手紙12:9〜21
牧師 大宮 溥


◇ローマ書はパウロの手紙の中で最大で、キリスト教信仰の中核を記している。1〜11章は神の救いを説く「教理」、12〜15章は人間が神の恵みに応えていかに生きるかを説く「倫理」である。12章は倫理の基本を教えている。

◇12章の冒頭は倫理の基礎で、神の救いに応えて「自分の体をささげる」献身が奨められている。神の召しに応えて自分の部署で神の国の建設のために働くのである。

◇われわれ一人ひとりが召されて神の前に出る時、「神の民」「キリストの体」としての教会が形成される。我々はその体の部分として生きる。体の中を流れ生かす血が「愛」である。この愛は「アガペー」で、本来は神から注がれる無償の愛であり、これを受けた人間は、神への愛と隣人への愛に燃えるのである。

◇パウロはローマ書12:9〜21で、キリスト者の愛に生きる姿をさまざまに描いているが、教会標語になった12節においては、特にわれわれが置かれている、終末前の今の時の生き方を教えている。キリストの十字架と復活によって人間が救われ、神の国の基礎が据えられたのであるが、その完成には達していない。それ故我々は主の復活と再臨との間(中間時)、神とサタンとの戦いを神の軍隊として戦ってゆく。しかしわれわれは敗北を恐れて、戦々恐々としているのでなく、「希望をもって喜ぶ」。われわれはこの試練の中で孤立無援の状態にあるのでなく、キリストが我々と共におられ、われわれと一体となって戦ってくださり、最後に勝利を約束してくださるからである。

◇戦いの中で我々は「苦難を耐え忍ぶ」。人生には誘惑と戦いと苦難がある。しかしそれは必ず終わるゆえに、絶望しないで耐え抜くのである。そのためには「たゆまず祈る」ことが大切である。祈って自分を主に委ね、造り変えていただくのである(コリントII5:17)。われわれの人生はインマヌエルの旅である。

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