礼拝説教


2014/8/17 聖霊降臨節第11主日礼拝

「キリストは私たちの平和」

エフェソの信徒への手紙2:11~22
船本 弘毅 先生

 
◇一昨日は敗戦69周年の記念日でした。69年前の夏、私は父の郷里である山口県の大島に疎開していました。1945年8月6日午前8時15分、人類史上最初の原子爆弾が広島に投下され、今迄見たこともない閃光が光ったのを目撃しました。幼き日のこの体験が、わたしの戦争と平和の原点になっています。

◇憲法9条に込められた不戦の誓いは集団的自衛権の行使容認によって、今揺らいでいます。この現実の中で、心を静めて聖書に共に聴きたいと思います。

◇「キリストはわたしたちの平和」とパウロは宣言しています。その頃、神の救いの計画は、先ずユダヤ民族から始まり、次いで異邦人に及んで行くと考えられていました。パウロはイスラエルの民と異邦人の置かれている現実を明確に認識することを求めた後に、キリスト・イエスの十字架によって二つのものが一つにされたと語っています。

◇平和は政治的・経済的・社会的・国際的な問題です。しかし真の平和は武力や政治的駆け引きによって実現されるものではありません。根源的には、一人の人間のかけがえのない存在であることを互いに受け入れ、尊重し合うことなしには決して実現されることはないでしょう。

◇聖書は、「キリスト御自身が平和である」と言い切っています。この主によって隔ての中垣は取り除かれ、主にあるその平和へ導かれ、平和の器として生きるよう召されているのです。

◇27年間の獄中生活に耐えてアパルトヘイト反対運動に全生涯を捧げたネルソン・マンデラは「憎むように生まれて来た人間などいない。人は憎むということを学んだのだ。ならば愛することも学べるだろう。愛は憎しみよりも自然に人間の心に根付くはずだ」と語っています。

◇世界は、そして我が国は、今どこに向かって進もうとしているのでしょうか。主にある平和を与えられた者として、平和の主に服従して生きる者でありたいと心から願います。

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