礼拝説教


2012/2/12 〈教会創立88周年記念礼拝〉

「この岩の上に」

名誉牧師 大宮チヱ子

申命記4:1~4
マタイ福音書16:13~20


◇教会の創立記念日を迎え、88年に及ぶ神の豊かな奇しき導きを思い返して、感謝を喜びを新たにしたい。この教会は、「どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる」(マタイ18:19)という約束を信じて祈り続けた、小さな群れの熱い祈りによって誕生し、平岩愃保先生の伝道への情熱と隣人への愛が、この教会を育てたのである。その祈りと伝統を継ぐ教会に招かれている者として、共に励みたい。

◇最初の会堂は、平岩先生の住居に続く場所で、後に長く教育会館として使用された。しかし教会の成長と共に狭さを感じるようになり、会堂建築を願う声が聞かれるようになった。当時は若い会員が多く、経済的には弱かったために、青年を中心としたワークキャンプを計画し、教会に泊まり込んで、地ならしやコンクリートの土台造りをした。夜は、昼間職場で働いた人達も加わって修養会のような学びと話し合いの時を持ち、建物だけでなく、信仰の土台をも築こうとしたのである。

◇2回目の阿佐ヶ谷での会堂建築は、現在の会堂であるが、私共(大宮夫妻)は新潟で、地震の被害を受けた会堂をようやく立て直した翌年、当教会に再赴任した後であった。

◇会堂は、共に礼拝を捧げ、交わりと学びを奉仕の原点とした大切な場所である。しかし、最も大切なのは、そこに集う者達の信仰である。マタイによる福音書16:15に主イエスが弟子たちに、その信仰を問われた記事がある。「あなたがたはわたしを何者だと言うのか」と。この問いは、常に、私共一人一人にも向けられている。「あなたは」と、主は問いかけておられる。主は、この問いに答えたペトロの信仰をよみして「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」と言われた。私共も、この信仰の岩の上に立ち続け、恵みの主を伝え、伝道と奉仕に励みたいものである。

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