礼拝説教


2011/8/21 <聖霊降臨節第11主日>

       「本物の愛」

副牧師 姜キョンミ

ローマ書12:9~21


◇ローマの信徒への手紙の12章以下には、クリスチャンはいかに生きるべきか、という内容が記されています。9節に「愛には偽りがあってはなりません」、とあります。また続く10節にも、「兄弟愛」という言葉が記されています。私たちが、教会の交わりの中に招き入れられ、実際に、教会の交わりを造る部分として、まず初めに心すべきことは、愛に生きることであるというのです。具体的なキリスト者の生活について勧めをするとき、交わりを造り出していく「愛」が問われている、というのは大事なことだと思います。

◇「愛には偽りがあってはなりません」の中で、「愛」と訳されているのは「アガペー」という言葉です。神の愛であるアガペーは、見返りを期待しない無償の愛です。一方的な愛です。パウロは、この手紙の中で、「アガペー」を神の愛、キリストにおいて現された神の愛を描くために用いています。12章においても、ただ神だけが、偽りなしに、私たちを真実に愛してくださるということを伝えています。 

◇私たちの中には、偽りのない愛などありません。いつもそのときどきに、さまざまに、本当の自分を隠そうとします。しかし、すべてをご存じである神が、私たちを見抜いておられる神が、偽りのない愛をもって、私たちを捕らえて、見守ってくださるのです。この神の愛に繰り返し立ち帰り、神の愛が現された十字架のもとに立つとき、神の御前で、神のまなざしの中で、私たちも愛によって結び合わされていくのです。それこそはまさに、ここでパウロが描く「兄弟愛」です。キリストの贖いによって清められ、神の霊によって導かれている私たちは、神の子とされます。

◇「人を愛する」と言っても、その愛はいかに偽りに満ちているのでしょうか。本当の愛を実現するのは難しいことです。真実にそれができるのは、主イエス・キリストのみであると思いますけれども、私たちもそのイエス・キリストの愛を模範として、それに倣って、愛に生きることができたらと願います。

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