礼拝説教


2010/2/14 教会創立86周年記念礼拝

       「希望に生きる民」

熊江 秀一先生(新津教会)

使徒言行録1:6〜11  


◇使徒言行録から今に至るキリストの証人としての伝道は、復活の主の宣教命令と約束の実現である。教会は聖霊を受けることを約束された群れである。「力」(8節)とは、ただ神から与えられる圧倒的なもの。この「力」という言葉は使徒言行録と同じ著者のルカ福音書では、マリアの受胎告知で登場する。聖霊が下る事によって、私達のうちに神が宿ってくださる、それが聖霊の「力」である。聖霊によって約束が与えられたものには、幻が与えられる。それは時に、苦難や困難を通して与えられる。

◇新津教会に赴任してから、教会の窓ガラスが何度か割られた。ある夜、ガラスの割れる音が聞こえて教会に入ると、暗闇の中に青年が立っていた。虚ろな眼をして「神に復讐してやる」と叫んだ。しばらく話を聞いたら、祈ってほしい、助けてほしいと願い出たので一緒に祈った。その後、また教会に来て「祈祷会に出席していいですか」と言われた。神が生きておられる事を感じた。祈祷会のお茶の後、喜んで帰って行った。その後、教会には来ておらず、車も見かけないが、神様が彼に新しい人生を歩み始めさせたのだと信じている。

◇新津教会の属する関東教区は、東京・西東京・神奈川教区を合わせた面積よりも大きい。しかし、新潟地区は距離が離れていても、主にある連帯がある。互助や宣教協力、交換講壇、佐渡伝道協力。新潟(にいがた)を反対に読んだら、「たがいに」になる。互いに支え合い、祈りあうのが新潟地区だ。

◇エルサレム、ユダヤ、サマリアの全土に福音が行き渡ったように(8節)、連帯しあうことによって福音は伝わっていく。新潟で苦闘している私が招かれたのは、阿佐ヶ谷教会が地方で苦闘している教会と更に連帯し、共に伝道しようとする祈り故にであろう。地方の教会にとって阿佐ヶ谷教会のような大きな教会は励ましであり希望である。ますます成長し、地方教会と連帯していただきたい。教会は成長をする。群れが膨らむ事を、神は約束している。阿佐ヶ谷教会が86年間を超えてずっと、キリストのリアリティーに溢れた教会として成長する事をお祈りしている。この地のエルサレム教会として。

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