礼拝説教


2007/5/6  礼拝説教

「ふさわしい報い」
                  牧師 大村 栄

ルカ福音書7:1−10

 
◇ガリラヤ湖畔の美しい町カファルナウムには、当時占領ローマ軍が駐留していた。戦後の日本のGHQによる占領時代に似た状況だっただろう。「百人隊長」は占領軍下士官でありながら、被占領国の宗教家であるイエスに深い信頼を抱き、自分の部下の重病をいやしてもらえると信じた。だが自分は異邦人であることを自覚して謙虚な態度で臨み、主にわざわざ来て頂くのは申し訳ない。ただ「ひと言おっしゃってください。そして、わたしの僕をいやしてください」と告げた。主の言葉があれば、それによって僕は癒されると確信しているのだ。

◇「わたしも権威の下に置かれている者ですが、わたしの下には兵隊がおり、…と言えば、そのとおりにします」。主の言葉への絶大な信頼を表す言葉だ。これを聞いて主は彼を高く評価し、「これほどの信仰を見たことがない」とまで賞賛した。

◇私はローマ皇帝アウグストゥスの権威の下にあるのですが、主よ、あなたははるかに偉大な神の権威の下におられます。そしてあなたは私の下にいる100人の部下どころではなく、全世界をそのみ手の下に置いておられる。あなたが神の権威をもってこれらに命じるなら、被造物のすべてがその御言葉に服従するのです。ですから主よ、今みこころならば私の部下の病に対して、「その者から出て行け」と命じて下さい。そうすれば、私の部下は癒されます。…彼はそういう確信を持って主に懇願したのである。

◇軍人はその職業柄、国の権威に服従し、国家に忠誠を尽くす。そのメンタリティーが、主イエスを遣わされた神の権威、その神の権威に忠実に仕えるイエスという実態を鋭く見抜いたのである。ローマを始め地上の国家や権威はいずれも限りがある。百人隊長の属するローマや地上のいかなる国より偉大な、主イエスの属する「神の国」こそが不滅にして最も大いなる権威のみなもとである。

◇私たちも、自らの身も魂も捧げて生きるにふさわしい真の権威を求め、生涯これに従って生きよう。「兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です」(ローマ書12:1)。




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