2025/11/16「モーセよ、行け」出エジプト記6:1〜13 伝道師 太田好則

◇モーセとアロンは、神様に命じられて、イスラエルの民をエジプトから解放するために、ファラオと交渉する。ところがファラオはイスラエルの民を開放するどころか、レンガ製造のための燃料は自分で調達せよ。レンガの量は減らしてはならない。と無理なことを言う。モーセとアロンがファラオと交渉したことで、イスラエルの民の暮らしはむしろ苦しくなった。モーセとアロンは、要求をファラオに拒否されたことで打撃を受け、さらにイスラエルの同胞からも打撃を受けた。モーセは神様に、不満を込めて「神様あなたはイスラエルの民を苦しめています。早くイスラエルの民を救ってください。」と訴える。
◇神様は2つのお名前を明かしてお答えになる。ひとつは主つまり「ヤハウェ」である。この名は、ご自身が造られた存在ではなく、存在の根源であり、ただお一人の、絶対的な、永遠の神であることを表す。「私はあなたがたを私の民とし、私はあなたがたの神となる。」という言葉で表されるように、神様とイスラエルが強く結ばれていることを表す。
◇もう一つのお名前は全能の神、つまり「エール・シャッダーイ」である。このお名前は神様の圧倒的な力を表す。神様は、アブラハム、イサク、ヤコブの神として自らを表される。アブラハムと交わしたカナンの地を与えるという約束、いわば神様ご自身への宿題をお忘れにはならない。「エール・シャッダーイ」なる神様は、必ず約束を果たされるのである。
◇しかし直ちに力を振るってエジプトを滅ぼし、イスラエルを解放することを神様はなさらない。神様はイスラエルを贖う、つまり「買い戻す」と言われる。少し時間はかかってもエジプトに裁きを下し、イスラエルを解放せざるを得ないところに追い込む、と言われるのである。
◇私たちには到底、達成できそうもない課題が与えられることがある。でも神様は力を与えてくださる。協力者を与えてくださる。どっちを向いても赤信号ということもあるが、神様は青信号を灯してくださる。神様から離れては何もできない。絶えず祈ることが大切である。