2025/07/13 「我を真理に導く方」ヨハネによる福音書16:4b~15 牧師 古屋治雄

◇「私をお遣わしになった方のもとに行こうとしている」(5節)、「あなたがたはもう私を見なくなる」(16節)と、主イエスはこれから重大な出来事が起こることを弟子たちに語る。これらを聞いているのは直接的には当時の弟子たちだが、実はヨハネ福音書が書き送られているヨハネの教会の一人ひとり、さらには今日の教会にいる私たちにも語っておられる。
◇主イエスは社会から見放されていた人々を招き、時に「ガリラヤの田舎者たち」と揶揄された独自の群れを作った。主イエスはその群れの特色を羊飼いの例えで語る。「私が来たのは、羊が命を得るため、しかも豊かに得るためである。私は良い羊飼いである。良い羊飼いは羊のために命を捨てる。」(10:10b~11)と。主イエスは今日の教会に結ばれている私たち全てに向かって語っている。
◇主イエスが「この世から父のもとへ移る」(13:1)と言われ、主イエスが見えなくなることで弟子たちは不安に陥った。迫害の予告も語られる。弟子たちの恐れと不安に、主イエスは「実を言うと、私が去って行くのはあなたがたのためになる」と言われる。この主の御心を身近にいた弟子たちも、主イエスの活動を放置できないと殺意をもっていたユダヤ人たちも知ることはできなかった。
◇しかし主イエスがこの後、十字架にかかり死なれたこと、そして死に終わらず甦ったことで、復活の主に出会った弟子たちにその意味が明らかにされた。私たちが主イエスの十字架の出来事を神様の救いのご計画として信じ受け入れることができるのは、主イエスが約束した私たちの弁護者である聖霊が注がれているからである。この真理の霊による働きを受けて、使徒パウロの言葉を私たちも告白しよう。「それは、イエスの御名によって 天上のもの、地上のもの、地下のものすべてが 膝をかがめ すべての舌が『イエス・キリストは主である』と告白して 父なる神が崇められるためです。」(フィリピ 2:10-11)と。